計算の例(東京都千代田区・断熱等級4相当・ふつうの機種)
- 6畳の個室:2.2kWは1年約8,200円、2.8kWは約8,700円で、大きい機種のほうが約500円高くなりました。処理できない暖房は、2.2kWが0.0%、2.8kWが0.0%です。
- 14畳のリビング:2.8kWでは処理できない暖房が8.3%、4.0kWでは3.9%です。電気代は2.8kWが約34,500円、4.0kWが約37,000円です。2.8kWのほうが安く出ますが、その分、暖めきれない時間があります。
結果の見方
- 処理できない暖房・冷房:エアコンの能力が足りず、部屋を設定温度まで暖められない・冷やせない分が、1年の暖房・冷房の負荷のうち何%あるかです。 当サイトでは、暖房の割合が5%以下になる一番小さい機種に色をつけています。
- 処理できない冷房が能力で変わらないとき:公的な計算方法では、冷房で取り除ける湿気(潜熱)の量を、温度を下げる分(顕熱)に対する一定の割合までとしています(第四章第三節 式(18)・(19))。 湿気の多い時間は、その上限をこえた分が処理できない冷房として残り、能力を大きくしても減りません。
- 電気代が能力の順に並ばないことがあります:たとえば4.0kWより5.6kWのほうが安く出る条件があります。公的な計算方法の式の結果をそのまま表示しています。
- 効率は推定式です:機種ごとのカタログの値ではなく、公的な計算方法の推定式(区分(は)・区分(い))で、能力から効率を決めています。 買う機種が決まっているなら、カタログの消費電力を比較ツールに入れて比べてください。
よくある質問
大きめのエアコンを買うと、電気代は安くなりますか?
この部屋の条件によります。上の例(6畳の個室)では、2.2kWより2.8kWのほうが電気代は1年約500円高くなりました。処理できない暖房は、2.2kWが0.0%、2.8kWが0.0%でした。 一方、能力が足りない機種では、処理できない暖房が増えます。表の「処理できない暖房」と電気代を両方見て選んでください。
カタログの「〇畳用」とは違いますか?
このツールは畳数の目安ではなく、住まいの地域・断熱性能・部屋の広さから計算した暖房・冷房の負荷で比べています。そのため、同じ畳数でも、寒い地域や断熱性能の低い家では大きい能力が必要になります。
入力した内容は保存されますか?
保存されません。計算はすべてお使いのブラウザの中で行います。条件はページのURLに入るので、ブックマークや共有に使えます。
計算方法
建築物省エネ法の住宅の評価で使われている「エネルギー消費性能の算定方法」のうち、ルームエアコンの消費電力量の計算(第四章第三節)を使っています。 建築研究所などが公開しているPython実装(pyhees)をTypeScriptに移植し、同じ入力で結果が一致することをテストで確かめています。
- 地域区分と断熱性能から、公的な計算方法の標準的な住宅(床面積120.08m²、4人世帯)の部屋ごとの暖房・冷房の負荷を1時間ごとに1年分求めます。
- その負荷を部屋の広さに合わせて比例させます(1畳=1.62m²で換算)。
- エアコンの定格能力と効率(能力÷消費電力)から、1時間ごとの外気温・湿度に応じた消費電力量を計算し、1年分を合計します。
- 消費電力量に電気料金単価を掛けて、電気代にします。
前提条件と誤差
| 使い方 | 在室時間・設定温度・運転する時間帯は、公的な計算方法の標準住戸の生活スケジュールに固定されます。自分の使い方と大きく違う場合は、金額も変わります。 |
|---|---|
| 住まい | 戸建住宅を前提としています。断熱性能は等級ごとの基準値(UA値)で計算し、日射の取り込みやすさは国の仕様基準の値を使います。 |
| 気象 | 地域区分ごとの公的な計算方法の代表的な1年分の気象データ(標準年)を使います。近年の猛暑や、熱帯夜の湿度の高さは反映されていないため、とくに冷房の電気代は実際より少なめに出ることがあります。 |
| 湿気(潜熱) | 冷房は、温度を下げる負荷(顕熱)と湿気を取る負荷(潜熱)の両方を公的な計算方法で計算します。エアコンが処理しきれない分は「処理できない負荷」として別に示し、電気代には入りません。 |
| 気密・換気 | 公的な計算方法には気密性能(C値)の入力がないため、すき間風の違いは計算に入りません。換気は公的な計算方法の標準の条件です。 |
| 部屋 | リビングは標準住戸の主たる居室、個室は子ども部屋のスケジュールを使います。 |
| 効率がわからない機種 | 公的な計算方法で効率不明の機種に使う推定式(区分(は))で計算します。省エネ性の高い機種の目安には区分(い)の推定式を使います。 |
| 電気料金 | 初期値は家電公取協の目安単価 31円/kWh(税込)(2022-07-22改定)です。検針票から求めた自分の単価に変えると、実態に近づきます。 |
| 含まないもの | 待機電力、フィルターの汚れ、機器の経年劣化、室外機の設置状況、電気料金の将来の変動。 |
出典
- 建築研究所「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」技術情報(第四章第三節 ルームエアコンディショナー)
- 建築研究所ほか「pyhees」(上記算定方法のPython実装、MITライセンス)
- 国土交通省「住宅性能表示制度 断熱等性能等級の基準」
- 国土交通省「地域区分新旧表(令和2年7月時点)」(市区町村と地域区分の対応)
- 総務省「全国地方公共団体コード」(市区町村の名称とコード)
- 全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問(電力料金目安単価)」
- 不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」
断熱性能・負荷データの作成日:2026-09-23