この比較でわかること
- 東京など6地域・断熱等級4・14畳のリビングでは、使う時間だけが年26,400円、つけっぱなしが年32,000円で、つけっぱなしのほうが約1.21倍になりました。
- 個室では差が大きくなります。6畳の個室は、使う時間だけが年5,900円、つけっぱなしが年21,200円(約3.6倍)です。 公的な計算方法の標準の生活では、個室は夜など短い時間しか使わないためです。
- リビングは、差が思ったより小さい。リビングは朝から夜まで長く使うので、消している時間が短く、つけっぱなしで増える分が限られます。 地域別では1地域が約1.12倍で、いちばん差が小さくなりました。
- 使う時間だけのときは、つけた直後に部屋を暖めきれない分が出ます(6地域・等級4のリビングで暖房の負荷の3.9%)。 つけっぱなしは電気代が高いかわりに、この「つけた直後の寒さ」がほとんどありません。
- 断熱性能を変えると、等級2で約1.29倍、等級6で約1.29倍でした(6地域・リビング)。 断熱性能の高い家では金額の差そのもの(年4,100円)が小さくなります。
地域別の暖房の電気代(断熱等級4)
| 地域 | リビング14畳 | 個室6畳 |
|---|---|---|
| 1地域 | 74,500円 → 83,500円(×1.12) | 17,300円 → 50,200円(×2.9) |
| 2地域 | 62,300円 → 69,900円(×1.12) | 14,900円 → 46,000円(×3.1) |
| 3地域 | 48,700円 → 57,500円(×1.18) | 12,000円 → 40,600円(×3.4) |
| 4地域 | 46,100円 → 54,000円(×1.17) | 10,300円 → 31,500円(×3.0) |
| 5地域 | 35,500円 → 45,000円(×1.27) | 7,800円 → 27,200円(×3.5) |
| 6地域 | 26,400円 → 32,000円(×1.21) | 5,900円 → 21,200円(×3.6) |
| 7地域 | 14,200円 → 18,000円(×1.27) | 3,400円 → 12,900円(×3.8) |
左が使う時間だけ、右がつけっぱなし。
4.0kW・効率のわからない機種、電気料金31円/kWh。寒い地域では、4.0kWでは能力が足りない場合があります。
「つけっぱなしが安い」と言われるのはなぜ?
エアコンは、冷えた部屋を暖め始めるときに大きな電気を使います(上の1日のグラフの、朝や夕方の山)。そのため、短い時間だけ消してまたつけるなら、消さないほうが安くなる場合があります。 一方、この計算は「夜中や外出中の長い時間もつけておく」か「人がいる時間だけつける」かの比較です。消している時間が長いほど、暖め直す分より、つけっぱなしで使う分のほうが大きくなります。 短い外出で消すかどうかと、24時間つけっぱなしにするかどうかは、分けて考える必要があります。
結果の見方
- 使う時間だけ:公的な計算方法の標準的な生活スケジュールで、人がいる時間だけ暖房します(公的な計算方法の「居室の間歇運転」)。エアコン電気代シミュレーターの暖房と同じ計算です。
- つけっぱなし:暖房する部屋を24時間暖房します(「居室の連続運転」)。冷房は比べていません。
- 暖めきれない分:エアコンの能力が足りず、設定温度まで暖められない分の割合です。この分は電気代に入っていないので、そのぶん電気代は安く出ています。
よくある質問
短い外出のときに消すのは損ですか?
この計算では扱っていません。公的な計算方法の生活スケジュールは1時間単位で、短い外出はふくまれていないためです。何分までなら消さないほうが安いかは、部屋の断熱性能や外の気温で変わります。
設定温度は何度ですか?
公的な計算方法の標準の条件(暖房20℃)です。変えることはできません。
ほかの暖房器具と比べたい
暖房代 比較シミュレーターで、石油・ガスファンヒーターやFF式暖房機と比べられます。冷房も含めた1年の電気代はエアコン電気代シミュレーターで計算できます。
入力した内容は保存されますか?
保存されません。計算はすべてお使いのブラウザの中で行います。条件はページのURLに入るので、ブックマークや共有に使えます。
つけっぱなしの計算
公的な計算方法(第四章第一節)の暖房の運転方法の区分のうち、区分(は)(居室の間歇運転)と区分(ろ)(居室の連続運転)で、同じ家・同じ気象の1時間ごとの暖房負荷を計算しました。 その負荷を、同じエアコンの計算(第四章第三節)で電気の量にしています。
計算方法
建築物省エネ法の住宅の評価で使われている「エネルギー消費性能の算定方法」のうち、ルームエアコンの消費電力量の計算(第四章第三節)を使っています。 建築研究所などが公開しているPython実装(pyhees)をTypeScriptに移植し、同じ入力で結果が一致することをテストで確かめています。
- 地域区分と断熱性能から、公的な計算方法の標準的な住宅(床面積120.08m²、4人世帯)の部屋ごとの暖房・冷房の負荷を1時間ごとに1年分求めます。
- その負荷を部屋の広さに合わせて比例させます(1畳=1.62m²で換算)。
- エアコンの定格能力と効率(能力÷消費電力)から、1時間ごとの外気温・湿度に応じた消費電力量を計算し、1年分を合計します。
- 消費電力量に電気料金単価を掛けて、電気代にします。
前提条件と誤差
| 使い方 | 在室時間・設定温度・運転する時間帯は、公的な計算方法の標準住戸の生活スケジュールに固定されます。自分の使い方と大きく違う場合は、金額も変わります。 |
|---|---|
| 住まい | 戸建住宅を前提としています。断熱性能は等級ごとの基準値(UA値)で計算し、日射の取り込みやすさは国の仕様基準の値を使います。 |
| 気象 | 地域区分ごとの公的な計算方法の代表的な1年分の気象データ(標準年)を使います。近年の猛暑や、熱帯夜の湿度の高さは反映されていないため、とくに冷房の電気代は実際より少なめに出ることがあります。 |
| 湿気(潜熱) | 冷房は、温度を下げる負荷(顕熱)と湿気を取る負荷(潜熱)の両方を公的な計算方法で計算します。エアコンが処理しきれない分は「処理できない負荷」として別に示し、電気代には入りません。 |
| 気密・換気 | 公的な計算方法には気密性能(C値)の入力がないため、すき間風の違いは計算に入りません。換気は公的な計算方法の標準の条件です。 |
| 部屋 | リビングは標準住戸の主たる居室、個室は子ども部屋のスケジュールを使います。 |
| 効率がわからない機種 | 公的な計算方法で効率不明の機種に使う推定式(区分(は))で計算します。省エネ性の高い機種の目安には区分(い)の推定式を使います。 |
| 電気料金 | 初期値は家電公取協の目安単価 31円/kWh(税込)(2022-07-22改定)です。検針票から求めた自分の単価に変えると、実態に近づきます。 |
| 含まないもの | 待機電力、フィルターの汚れ、機器の経年劣化、室外機の設置状況、電気料金の将来の変動。 |
出典
- 建築研究所「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」技術情報(第四章第三節 ルームエアコンディショナー)
- 建築研究所ほか「pyhees」(上記算定方法のPython実装、MITライセンス)
- 国土交通省「住宅性能表示制度 断熱等性能等級の基準」
- 国土交通省「地域区分新旧表(令和2年7月時点)」(市区町村と地域区分の対応)
- 総務省「全国地方公共団体コード」(市区町村の名称とコード)
- 全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問(電力料金目安単価)」
- 不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」
断熱性能・負荷データの作成日:2026-09-23