この計算でわかること
- 東京など6地域で、リビング14畳と個室6畳×2部屋をエアコンで冷暖房する家では、等級2相当(1980年の基準)で冷暖房費が年80,300円でした。等級4にすると年26,900円、等級6にすると年41,800円安くなります(52%減)。
- 下がるのは暖房です。6地域の等級2→6で、暖房は年67,700円→19,500円。 冷房は年12,600円→19,100円で、むしろ増えました。断熱性能が上がると、夏は家の中の熱が外に逃げにくくなるためです。
- すでに等級4の家を等級6にすると、年14,900円です。元の断熱性能が低い家ほど、効果は大きくなります。
- 地域別では、4地域の差がいちばん大きく、等級2→6で年87,300円でした(下の表)。
地域別:等級2の家を断熱リフォームした場合(1年)
| 地域 | 等級2の冷暖房費 | 等級4にすると | 等級6にすると |
|---|---|---|---|
| 1地域 | 143,600円 | −36,500円 | −63,400円 |
| 2地域 | 122,800円 | −31,300円 | −54,200円 |
| 3地域 | 126,800円 | −53,100円 | −80,200円 |
| 4地域 | 130,200円 | −59,500円 | −87,300円 |
| 5地域 | 97,500円 | −42,100円 | −64,000円 |
| 6地域 | 80,300円 | −26,900円 | −41,800円 |
| 7地域 | 55,400円 | −15,400円 | −24,000円 |
リビング14畳(4.0kW)・個室6畳×2(2.2kW)、効率のわからないエアコン、電気料金31円/kWh。どの地域も等級2の家ではエアコンの能力が足りず暖めきれない時間があり(とくにつけた直後)、その分の電気代が入っていないため、安くなる額は小さめに出ています。
結果の見方
- 冷暖房費:リビングと個室のエアコンの、1年の暖房・冷房の電気代の合計です。
- 同じエアコンで比べる:リフォームの前も後も、入力したエアコンを使う計算です。断熱性能が上がると、小さいエアコンで足りるようになることもあります。
- 回収年数:工事費を、1年の冷暖房費の差で割った年数です。住まいの快適さや、結露の減少などは含みません。
よくある質問
窓だけを断熱する場合は?
このツールは家全体の断熱性能(断熱等級)ごとの計算です。窓だけ・壁だけの改修で等級がどこまで上がるかは家によって違うため、計算していません。 改修後の等級(またはUA値)は、施工会社に確認してください。
暖房に灯油やガスを使っています
このツールはエアコンで冷暖房する場合の計算です。器具ごとの暖房代は暖房代 比較シミュレーターで比べられます(断熱性能も選べます)。
等級5の暖房費が等級4より高いのはなぜ?
等級5は、国の基準の「誘導仕様基準」の日射熱取得率(冬に窓から入る日射の量)を使っていて、等級4の値より小さいためです。日射を取り込みやすい窓にすれば、暖房費はもっと下がります。
入力した内容は保存されますか?
保存されません。計算はすべてお使いのブラウザの中で行います。条件はページのURLに入るので、ブックマークや共有に使えます。
計算方法
建築物省エネ法の住宅の評価で使われている「エネルギー消費性能の算定方法」のうち、ルームエアコンの消費電力量の計算(第四章第三節)を使っています。 建築研究所などが公開しているPython実装(pyhees)をTypeScriptに移植し、同じ入力で結果が一致することをテストで確かめています。
- 地域区分と断熱性能から、公的な計算方法の標準的な住宅(床面積120.08m²、4人世帯)の部屋ごとの暖房・冷房の負荷を1時間ごとに1年分求めます。
- その負荷を部屋の広さに合わせて比例させます(1畳=1.62m²で換算)。
- エアコンの定格能力と効率(能力÷消費電力)から、1時間ごとの外気温・湿度に応じた消費電力量を計算し、1年分を合計します。
- 消費電力量に電気料金単価を掛けて、電気代にします。
前提条件と誤差
| 使い方 | 在室時間・設定温度・運転する時間帯は、公的な計算方法の標準住戸の生活スケジュールに固定されます。自分の使い方と大きく違う場合は、金額も変わります。 |
|---|---|
| 住まい | 戸建住宅を前提としています。断熱性能は等級ごとの基準値(UA値)で計算し、日射の取り込みやすさは国の仕様基準の値を使います。 |
| 気象 | 地域区分ごとの公的な計算方法の代表的な1年分の気象データ(標準年)を使います。近年の猛暑や、熱帯夜の湿度の高さは反映されていないため、とくに冷房の電気代は実際より少なめに出ることがあります。 |
| 湿気(潜熱) | 冷房は、温度を下げる負荷(顕熱)と湿気を取る負荷(潜熱)の両方を公的な計算方法で計算します。エアコンが処理しきれない分は「処理できない負荷」として別に示し、電気代には入りません。 |
| 気密・換気 | 公的な計算方法には気密性能(C値)の入力がないため、すき間風の違いは計算に入りません。換気は公的な計算方法の標準の条件です。 |
| 部屋 | リビングは標準住戸の主たる居室、個室は子ども部屋のスケジュールを使います。 |
| 効率がわからない機種 | 公的な計算方法で効率不明の機種に使う推定式(区分(は))で計算します。省エネ性の高い機種の目安には区分(い)の推定式を使います。 |
| 電気料金 | 初期値は家電公取協の目安単価 31円/kWh(税込)(2022-07-22改定)です。検針票から求めた自分の単価に変えると、実態に近づきます。 |
| 含まないもの | 待機電力、フィルターの汚れ、機器の経年劣化、室外機の設置状況、電気料金の将来の変動。 |
出典
- 建築研究所「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム」技術情報(第四章第三節 ルームエアコンディショナー)
- 建築研究所ほか「pyhees」(上記算定方法のPython実装、MITライセンス)
- 国土交通省「住宅性能表示制度 断熱等性能等級の基準」
- 国土交通省「地域区分新旧表(令和2年7月時点)」(市区町村と地域区分の対応)
- 総務省「全国地方公共団体コード」(市区町村の名称とコード)
- 全国家庭電気製品公正取引協議会「よくある質問(電力料金目安単価)」
- 不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」
- 建築研究所 技術情報「第三章第二節 外皮性能」(仕様基準・誘導仕様基準の日射熱取得率)
断熱性能・負荷データの作成日:2026-09-23