この比較でわかること
- 昼に沸かすと、電気の量は減ります。東京など6地域・4人家族では、夜だけで沸かす場合の年2,088kWhが、昼に約7割沸かすと1,908kWh(9%少ない)になります。昼のほうが外の気温が高く、ヒートポンプの効率が上がるためです。
- ただし、夜が安いプランでは夜のほうが安くなります。東京電力のスマートライフでは、夜だけで沸かすと年68,600円、昼に約7割沸かすと年71,800円。効率の差より、昼と夜の単価の差のほうが大きいからです。ただし月ごとに見ると、寒い1〜3月は昼に沸かすほうが安くなります。冬は夜の冷え込みで効率が大きく下がるためです。
- 昼が安いプランなら昼が得です。九州電力のおひさま昼トクプランでは、昼に約7割沸かすと年36,000円で、夜だけ(年47,100円)より11,100円安くなります。
- 太陽光の余った電気で沸かせる家は、昼が大きく得です。売電単価8.5円/kWhの場合、東京電力のプランでも昼に約7割沸かすと年30,100円になり、夜だけより38,000円安くなります。
地域で変わる「昼に沸かす効果」
夜だけで沸かす場合と、昼に約7割沸かす場合の年間の電気の量です(4人家族、効率は公的な計算方法の既定値2.7)。
| 地域区分 | 夜だけ | 昼に約7割 | 減る割合 |
|---|---|---|---|
| 1地域 | 3,607kWh | 3,233kWh | 10% |
| 2地域 | 3,249kWh | 3,051kWh | 6% |
| 3地域 | 2,861kWh | 2,633kWh | 8% |
| 4地域 | 2,710kWh | 2,481kWh | 8% |
| 5地域 | 2,486kWh | 2,189kWh | 12% |
| 6地域 | 2,088kWh | 1,908kWh | 9% |
| 7地域 | 1,783kWh | 1,661kWh | 7% |
| 8地域 | 1,232kWh | 1,212kWh | 2% |
お湯の量(給水の温度)や気温の季節変化も含めて、公的な計算方法で1日ごとに計算しています。
結果の見方
- 夜だけで沸かす:昼間沸き上げを使わない、ふつうのエコキュートの動き方です。沸き上げは料金プランの安い時間帯の終わりに合わせて終わるとしています。
- 昼に約半分沸かす:公的な計算方法の「昼間沸上げ形」の既定値(昼間の消費電力量の割合50%、16時に沸き上げ終了)です。
- 昼に約7割沸かす:昼間の割合を高くし、正午を中心に沸かす場合です。メーカーによっては、昼に沸かせる割合は最大80%程度です。
- 電気の量と平均単価:電気代は「電気の量 × 平均単価」です。昼に沸かすと電気の量は減りますが、平均単価はプランによって上がったり下がったりします。
よくある質問
ふつうのエコキュートでも昼に沸かせますか?
昼間にまとめて沸かす機能は、「おひさまエコキュート」など昼間の沸き上げに対応した機種の機能です。対応していない機種では夜間の沸き上げが基本になります。お使いの機種の説明書で確認してください。
料金プランを変えると得ですか?
お湯だけでなく、家全体の電気の使い方で決まります。昼が安いプランは夜の単価が高めになることがあるので、家全体の電気代で比べてください。まず自分の単価を知りたい場合は、電気代の単価 計算ツールが使えます。
太陽光の電気で沸かすと、なぜ「売電単価」で計算するのですか?
余った電気は売ることもできるので、自分で使うと、その分の売電収入がなくなります。そのため、昼に沸かす電気の価値を売電単価として計算しています。 2026年度に始めた住宅用太陽光のFITは、1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです。FITの期間中で売電単価が高い場合は、昼に沸かす得は小さくなります。
入力した内容は保存されますか?
保存されません。計算はすべてお使いのブラウザの中で行います。条件はページのURLに入るので、ブックマークや共有に使えます。
計算方法
- 公的な計算方法(第七章第一節)で、地域と世帯人数から、標準的な家庭の1時間ごと・1年分の給湯の負荷(台所・シャワー・洗面・お風呂)を求めます。
- 公的な計算方法(第七章第四節 電気ヒートポンプ給湯機)で、沸かす時間帯ごとの平均外気温から効率を求め、1時間ごとの消費電力量を計算します。昼間沸き上げは、昼間の消費電力量の割合を指定して計算します。
- 1時間ごとの消費電力量を「月 × 平日・休日 × 時刻」に集計して、料金プランの時間帯別の単価を掛けます。平日・休日は公的な計算方法の標準的な生活スケジュールに従います。
- 夜間の沸き上げは、公的な計算方法では7時に終わります。当サイトでは、料金プランの安い時間帯の終わり(東京電力 6時、関西電力 7時、九州電力 8時)に合わせて時刻をずらしています。
前提条件と誤差
| お湯の使い方 | 公的な計算方法の標準的な家庭(浴槽あり・追いだきあり、節湯なし)。世帯人数は公的な計算方法の範囲(1〜4人)です。 |
|---|---|
| 電気代 | 電力量料金に、燃料費調整額・再エネ賦課金などの加算分(初期値は再エネ賦課金4.18円/kWh)を足して計算します。基本料金は含みません。関西電力の電化割引なども含みません。 |
| 太陽光 | 9〜16時に沸かす電気は、すべて太陽光の余った電気でまかなえるとしています。曇りや雨の日は電力会社から買う分が増えます。 |
| 含まないもの | お湯を沸かしてから使うまでの時間による熱の逃げ方の違い(公的な計算方法では1日ごとの計算)、機種ごとの運転の細かな違い。 |
出典
- 建築研究所ほか「pyhees」(算定方法のPython実装、MITライセンス)
- 国立研究開発法人 建築研究所「住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラムの算定方法 第七章第四節 電気ヒートポンプ給湯機(pyhees section7_4)」
- 東京電力エナジーパートナー株式会社「スマートライフS/L 料金単価」
- 関西電力株式会社「はぴeタイムR 料金単価・時間帯」
- 九州電力株式会社「おひさま昼トクプラン 料金単価・時間帯」
- 東京電力エナジーパートナー株式会社「再エネ買取標準プラン(卒FIT)」
- 経済産業省 調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見(住宅用太陽光 10kW未満)」
- 経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します(2026年3月19日)」
- 株式会社コロナ「よくあるご質問(昼間に沸き上げできる割合)」